※大人の事情で時系列が前後していますが許して下さい。
――4月21日(火)
――
教室
――
マーク模試がありました。
シキネ「ふおお……」
受けた科目は国語、数学、化学、物理、地理、英語(リスニングなし)。
今、自己採点の真っ最中だ。
シキネ「ふおお……すげえ……」
白石「お前どうだった?」(真顔)
シキネ「すごい点数取った!!」
[四月 マーク模試 シキネ]
国語 55点
現代文 38点
古文・漢文 17点
数学ⅠA 70点
数学ⅡB 59点
化学 64点
物理 69点
地理 57点
英語 126点
合計 500点
シキネ「ほら、合計500点! ぴったり500点取った!」
白石「ふふふ……」(真顔)
シキネ「なんだ……その不敵な笑みは……」
白石「これを見るがいい」(真顔)
[四月 マーク模試 白石]
国語 134点
現代文 67点
古文・漢文 67点
数学ⅠA 66点
数学ⅡB 67点
化学 67点
物理 67点
地理 66点
英語 133点
合計 600点
シキネ「すげえ! ちょうど100点ほど違う!」
白石「ぴったり600点だぜ」(真顔)
シキネ「えー、でも500点の方がキリいいじゃん。そういう意味ではセンター700点分くらいの価値はあると思うけど」
白石「お前知らないの、古代のほら、シュメール的な……よく知らんけど昔の人は六十進法を使っていたんだぜ」(真顔)
シキネ「あ、知っている! なんかあの古代の……古代のやつだろ!?」
白石「そうだ。だから600点だって650点分くらいの価値がある。だから合計1250点だ」(真顔)
シキネ「1200点……くそう、一歩及ばなかったぜ……」
白石「ははは」(真顔)
シキネ「でもなんだっけ、シュメール的なやつ」
白石「彩里に聞いてみろよ」(真顔)
――彩里さーん!
シオ「はあい」(笑顔[閉眼])
シキネ「シュメール的なやつってなんだっけ?」
シオ「ええと……バビロニアとかじゃなかったかな……えへへ、うろ覚えなんだけど」(苦笑)
白石「まあ、とりあえず六十進法はあったんだよな」(真顔)
シオ「うん。時計が六十進法なのもその名残なんだよね」(笑顔[閉眼])
シキネ「シュメール!」
白石「バビロニア!」(真顔)
シオ「でも……」(悲しみ)
シオ「……六十進法だと600は別にキリよく表せないよ……?」(悲しみ)
シキネ「デカルト……」
白石「ベーコン……」(真顔)
これで1200対600のダブルスコアで俺が逆転勝利する形となった。
白石「ベーコン……」(真顔)
いくらこいつが俺の好敵手だとはいえ、見ていて痛々しいものがあった……。
シキネ「そういや、彩里さんは模試どうだった?」
シオ「こんな感じだったよ」(笑顔[開眼])
[四月 マーク模試 シオ]
国語 171点
現代文 91点
古文・漢文 80点
数学ⅠA 100点
数学ⅡB 100点
化学 100点
物理 100点
日本史 94点
英語 196点
合計 861点
白石「拝ませて下さい」(真顔)
シオ「いいよ」(笑顔[閉眼])
シキネ「触らせて下さい」
シオ「嫌だよ」(苦笑)
なんだこれ、めっちゃ頭いいじゃん! 彩里さん半端ねえ!
シオ「でも今回結構ケアレスミスが多かったんだよね」(苦笑)
シキネ「ふふふ、彩里さんケアレスミスは言い訳にならないんだよ?」
シオ「そうなんだよねー」(苦笑)
白石「なあ」(真顔)
シキネ「ん、どうした?」
白石「お前はケアレスミスにいつ気がつくんだ?」(真顔)
シキネ「どういうこと?」
白石「放課後までに……自分を省みてごらん」(真顔)
シキネ「う、うん……」
[放課後]
――
図書室
――
――死にたい。
何がダブルスコアだ。何が「ケアレスミスは言い訳にならない」だ。なにちょっと模試の自己採点だからって調子に乗っちゃってんの? すごく恥ずかしい。
――いやでも、500点ってそこそこ取れたのかな……?
スウ「シキネ、模試どうだった?」(デフォ)
シキネ「スウは……?」
スウ「はい」(デフォ)
[四月 マーク模試 スウ]
国語 167点
現代文 90点
古文・漢文 77点
数学ⅠA 100点
数学ⅡB 100点
化学 100点
物理 100点
日本史 97点
英語 200点
合計 864点
シキネ「触らせて下さい」
スウ「え、ちょっとやめてよ……」(怪訝)
シオ「シキネくんなんですぐ触ろうとするの?」(苦笑)
シキネ「僕にも温もりが欲しくなるときがあるんです」
シオ「それは置いておいて、スウちゃんすごーい。負けちゃった」(笑顔[閉眼])
スウ「ほとんど同じ点数じゃん」(苦笑)
シオ「でも、英語が200点ってすごいよ」(笑顔[開眼])
スウ「そう、初めてとった。うん、これは嬉しかった」(笑顔)
シオ「私いつも大問一とか二で落としちゃうよー」(苦笑)
スウ「私もいつもはそうだよ? たまたま」(苦笑)
シオ「そっか。私数学とかでもやっちゃうんだよね」(苦笑)
スウ「そういえば今回の確率、最初びっくりしなかった?」(きょとん)
シオ「どんな問題だっけ?」(きょとん)
スウ「ほら、格子点があって」(デフォ)
シオ「ああ、思い出した! 最初幾何の問題かと思った」(笑顔[閉眼])
スウ「そうそう、グラフ理論みたいだった」(苦笑)
シオ「グラフ理論?」(きょとん)
スウ「グラフ理論っていうのは幾何学の分野のひとつで……」(デフォ)
シキネ「ハゲタカストップ!!」
俺は二人がまたハゲタカ理系トークを始めてしまいそうだったのでダイビングクロスチョップで会話を邪魔することにした。
シオ「ひゃあ!?」(驚き)
スウ「ちょ、こっちくんな、触んな!」(驚き)
シキネ「で、ほら」
スウ「ほら?」(きょとん)
シキネ「ほら、ほらってば」
スウ「あ、そうだった点数聞いていたんだった」(苦笑)
――
――
シキネ「……というわけで、1200点でした」
スウ「……」(デフォ)
スウが涼しい顔をしている。まあ、こんな点数だもんな。
スウ「……思ったよりもいいんじゃない?」(デフォ)
シキネ「そうなの?」
スウ「ね?」(デフォ)
シオ「たしかに。もっと100点台とかだと思っていた」(苦笑)
シキネ「ちょっと、流石にそれはないよ」
スウ「偏差値18」(じと)
シオ「奇跡の男だよね」(苦笑)
シキネ「たしかに。たしかによく頑張ったぞ俺」
スウ「私思うんだけどね、シキネってやっぱり馬鹿じゃないんだよ、きっと」(微笑)
シキネ「まじで?」
スウ「うん、馬鹿じゃないよ。だから頑張ろう、これからも」(笑顔)
シキネ「へへへ、おう」
スウ「よし、じゃあ早速復習していこうか」(笑顔)
――こんな感じでスウと四月のマーク模試の復習が始まった。
スウ「ここ、分母の有理化をするんだよ」(デフォ)
シキネ「え、どうやんの」
スウ「和と差の公式だよ、中学でやったでしょ?」(きょとん)
シキネ「え、どうやんの」
スウ「ちょ、それでよく70点も取れたね??」(焦り)
シキネ「てへへ」
呆れながらも教えてくれるスウが嬉しかった。
コッコ「ごきげんよう」(デフォ)
シキネ「あ、コッコさん」
コッコ「今日の模試の復習かしら?」(デフォ)
スウ「そうそう。ダメダメなんだけどね」(苦笑)
コッコ「点数はどんな感じかしら?」(にやにや)
俺はコッコさんにも点数を教えた。
シキネ「……というわけで1200点だったんだよ」
コッコ「500点ねえ……」(うーん)
スウ「でも、割とできているよね?」(苦笑)
シキネ「……てへへ」
シオ「だよね」(笑顔[閉眼])
コッコ「……」(うーん)
コッコ「ちょっとお二人さん、こっちに来てちょうだい」(うーん)
お、コッコさんがスウと彩里さんを連れて奥の方に行ったぞ……苦虫を噛み潰したような顔をして。
――戻ってきた。
スウ「……」(悲壮)
シキネ「あれ?」
シオ「……」(悲壮)
シキネ「あれれ??」
コッコ「……結論から言うわね」(呆れ)
――こういうことらしい――
結論から言えば四月のマーク模試で500点とかはダメダメの部類らしい。
シキネ「ど、どうしてダメなんだよっ!? キリ番なのに!」
スウ「出題範囲が狭いんだよ……」(悲壮)
シキネ「どどど、どうしてダメなんだよっ!? キリ番なんだよ!」
シオ「問題が簡単なんだって……」(悲壮)
コッコ「四月のマーク模試っていうのはたいていの場合とてもいい点数がとれるように出来ているのよ」(デフォ)
コッコ「だから……」(伏目)
コッコ「今回の点数がマーク模試の最高点、今後これよりも良い点数をとることはほとんど無い……と言っても過言ではないと思うわ」(真面目)
スウ「……」(悲壮)
シオ「……」(悲壮)
シキネ「うぇ……」
スウ「私たちもね……ヘコんでいるんだよ……」(悲壮)
シオ「なんだ受験って割となんとかなりそうじゃん……とか思っちゃったから……」(悲壮)
コッコ「まあでもあれよ、これから何もしなかったらっていう話ね」(デフォ)
コッコ「そしであれよ、今回の模試で実力をちゃんと発揮できなかったってこともあると思うわよ。テスト慣れとかあるからね」(デフォ)
シキネ「なんだ……じゃあ大丈夫か……」
スウ「……」(悲壮)
シオ「……」(悲壮)
コッコ「アナタには……今後確実に成績を伸ばして、かつ実力を試験で完全に発揮できるという自信があるわけね……」(伏目)
シキネ「自信じゃないよ……確信さ」
コッコ「いいわ……じゃあ私も一つ確信に基づいて言わせてもらうけどね……」(伏目)
コッコ「あなたは馬鹿よ」(悲壮)
シキネ「……」
シキネ「…………スウ」
スウ「こっちみんな」(呆れ)
コッコ「シキネが馬鹿な理由を説明していくわね……」(伏目)
とても親切なコッコさんが俺を懇切丁寧にボコボコにしていくのはまた別の話。
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