とらのあな様でも西暦2236年シリーズのパッケージ版の取り扱いが始まりました。
それと今回は数学のお話をします。
まずはこちらの動画をご覧ください。
2236をプレイ済みの方々はなんとなくこんなCGに既視感が無くもないのではないでしょうか?
こちらは海外の数学者Jos Leys氏が制作した数学に関するCG動画となっております。
サイトは
こちら。
Leys氏は"
Dimensions"や"
Chaos"といった数学への興味をかきたてる素晴らしい映像作品も公開されています。
こちらの動画はクリエイティブ・コモンズライセンスで公開されており、日本の数学者さんがナレーションを吹き替えたバージョンなんかもあります。
実は、最初の動画も知っている人は知っていると思いますがクリエイティブ・コモンズというライセンス(CC BY)で公開されていてこの動画のライセンスの場合はクレジットを表示すれば誰でもどうにでも使っていいよ、というものになっております。
(DimensionsとChaosは特設サイトによると商用利用、改変禁止らしいので注意)
こんなにすごい動画がなぜ……という感じもしますが、その意図はすぐに理解でき「Dimensions」や「Chaos」のように数学の美しさやその背景にある構造などを世界中の人に伝えたかったのではないかと思います。
実は僭越ながら我がサークルChloroの運営理念もゲームなどのエンタテインメントを通して数学や科学、その他学問に関する事柄を伝えたいというものであり、大変共感することができました。
そういうわけで、Leys氏にメールをしてみちゃいました。
Chloro「私たちは日本のインディーゲームサークルで、科学と勉強とマニアックで……現在2236というノベルゲームで数学と世界の美しさが……というわけでLeys氏が公開されているの美しいCGを我々のゲームの中で二次利用させていただけ……うんぬんかんぬん(長文)」
Leys氏「いくつは使っていいよ。どれを使いたいか教えて」
Chloro「許可をいただきありがとうございます! メール届いてよかったです。うんぬんかんぬん……使いたい画像は◯◯という場面の◯◯としてこれこれを……◯◯という場面の◯◯として……(長文)」
Leys氏「いいよ、問題なし、ゴー・アヘッド」
Chloro「ありがとうございます!!!」
これがちょうど1年前くらいの話ですが、許可をもらえちゃったんです。言ってみるものですね。
そもそもの話として、数学自体は、壺や宝石なんかとは違って、人類みんなのものとして共有されています。
つまり数学の幾何学図形は数式に従って誰でも(すごく頑張れば)描画することが可能です。
しかし、実際にはそれは人間的ではない大変な作業ですし、コンピュータを使っても高いスペックが要求されたり、あんまり綺麗に描画できなかったりします。
ですのでLeys氏のように目で見て明らかに美しいCGを制作してくださっているだけでもありがたいのですし、その上積極的に世界に向けて発信してくださっているのですから、もう頭が上がらないですね。
で、発信された私たちが次に何をしたら良いのかというと、その、目で見た美しさの裏側に一体どのような数学的構造あるのかということにも関心を持って欲しいのだと思います。
プラトンのイデアのお話を知っている方なら分かると思いますが、数学の図形というものは実は完全な形では現実に表現することはできません。
実は数学ファンの方々はペンを動かしたりコンピュータを立ち上げたりすることなく、数式を見ることで「あ〜これはすごい対象だなあ、綺麗だわ〜」とか思ったりするわけです。つまり脳内再生です。
数学を勉強するということは、そういう頭を使ったものの見方を身につけるってことなのかもしれませんね。
2236の中で使わせてただいている数学的構造物のCGですが、主に「マンデルブロ集合」が元となっているようです。
マンデルブロ集合というのは元を辿ると「複素数」という分野のお話です。a+biというあれですね。(i×i=-1)
というか、自分が説明するよりもDimensionsの第5章、第6章を見たほうが良いと思うのでこちらをどうぞ。
……実は私も複素数については不勉強でジュリア集合やらマンデルブロ集合やらに関してはほっとんど理解できていません。
だけど、あー、この動画見ていたら本格的に勉強したくなってきちゃったなあ〜〜。
そうだ、数学の勉強をしよう!!
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