こんな感じのポスターになりました。
書き下ろしですよー!

ゲームを既にクリアしていただいた方にはわかるかと思いますがとても素敵なキャッチコピーなんじゃないでしょうか。
サラリーマン川柳的な上手さがあると思います。
え、そこのあなたまだプレイしていないんですか?
あー、それは2月3日のコミティアの[は08b]に来るしかないですねーー。そういうわけでよろしくおねがいします。
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――5月5日(火)
――
ジョーシン
――
今日は子供の日、俺はジョーシンに来ていた。USBのフラッシュメモリを買いに来たのさ。
――
――
[回想]
――
教室
――
白石「おい、シキネ」(真顔)
シキネ「なんだ」
白石「お前、今幸せか?」(真顔)
シキネ「え、なんだって?」
白石「お前は今、幸せなのか?」(真顔)
シキネ「えっと……ちょっと待ってよ、どうしたんだよいきなり」
白石「俺は……お前に幸せになってほしいんだ」(真顔)
シキネ「はあ……」
白石「いや、言い方が少し違ったな」(真顔)
シキネ「ちがったのか」
白石「俺は……」(真顔)
白石「俺はお前に幸せになってもらうために生まれてきたんだ」(真顔)
シキネ「白石……」
白石「……へへ、ごめん。俺にこんなこと言われても気持ち悪いよな」(真顔)
シキネ「……続けろよ」
白石「え……」(真顔)
シキネ「最後まで続けろよ……聞いてやる」
白石「……へへ」(真顔)
シキネ「何笑ってんだよ」
白石「悪い、幸せっていうのがなんだかわからなくなりそうだって思ったんだよ」(真顔)
白石「近すぎて……」(真顔)
シキネ「白石……」
白石「俺はお前に幸せになってほしい」(真顔)
シキネ「ああ……」
白石「すっげえいいエ○動画を落としたから今度渡すわ」(真顔)
シキネ「OKわかった連休明けにUSBメモリ持って来るわ」
――
――
そういうわけで俺はゴールデンウィーク最終日の今日、ここに来ていた。
やっぱりジョーシンはいいね。安いし品揃えも豊富だ。
ジョ、ジョ、ジョ、ジョーシン〜。
ジョ、ジョ、ジョ、ジョーシン〜。
店内で流れている「情熱をなくさないで」はやはり名曲だなあ。ロックだなあ。へへへ。俺はこういう家電量販店で意味も無く商品を見るのが好きだから、買う物が決まっていたとしてもこうやってついつい長居してしまう。デジカメを見たりケータイを見たり、新しいウォークマンやチカちゃんも……。
――え、チカちゃん?
チカ「……」(デフォ)
可愛いらしいツインテールになんか別になんでもない感じの私服(ちょっと子供っぽい?)。愛想の無い表情は間違いなくチカちゃんだ。学校の外でも普段からツインテールなのか……。とりあえず気付かれないようにオーディオ関連コーナー影からそっと見守ることにした。
なんでチカちゃんがここにいるんだ? いやまあ、いてもいいんだけど最近どうでもいいところでチカちゃんと会う気がする。運命かもね。
チカ「……」(ふーん)
チカちゃんは42型のプラズマテレビをしげしげと見つめている。
チカ「……」(ふーん)
ひたすら見つめている。
チカ「……」(ふーん)
……いつまで見つめているんだろう……欲しいのかな、テレビ。
チカ「……(ちょっとノリノリ)……」(ふーん)
あれ、よく見たらチカちゃんは微かにノっていた。右手がリズミカルに動いているし、ほんの少しだけ身体が上下に動いている。なるほど、今42型のでっかいプラズマテレビで何かどっかのバンドのライブ映像でも流れているんだな、きっと。
チカ「……(OH OH )……」(ふーん)
おお、口元まで動き始めた。右手をちょっと大きく降るタイミングで「OH」と歌を口ずさんでいた。何の曲を聞いているんだろう……。まさか……。
――目を凝らして42型テレビの画面をよく見てみる。
ジョン「OH We’re half there……」
チカ「……OH OH」(ふーん)
ボン・ジョヴィだあああああああああああああああ!!!!!!
ボン・ジョヴィの「Livin’ On A Prayer」だああああああ!!!!!
チカ「……(ちょっとノリノリ)……」(ふーん)
チカちゃんボン・ジョヴィ好きなのかな……。というか洋楽が好きなのかな。そもそも音楽は好きなんだろうか。
どうしよう……チカちゃんが音楽好きだったら会話がはずんじゃうじゃないか!
――
――
シキネ「チカちゃんは……その、どんな音楽が好きなの……?」
チカ「ド……」(恥じらい)
シキネ「ド……?」
チカ「ドリ……」(恥じらい)
シキネ「(ドリカムかな……?)」
チカ「ドリーム・シアターです!!」(俯き+赤面)
――
――
おお好きそう!!
チカちゃんドリムシすげえ好きそう!!
そしてチカちゃんかわいい!!
これ全部俺の妄想だけど!!
――あれ。
俺が一人で勝手に盛り上がっているといつの間にかチカちゃんは42型プラズマテレビの前からいなくなってしまっていた。さすがにもういいのかな。ずっといるのもおかしいしね。
チカちゃんの意外な一面を垣間みた俺は少しぽかぽかした気分になりながら4GBのUSBメモリを買い、ジョーシンをあとにした。
――
街
――
シキネ「今度本人に聞いてみようかな」
――チカちゃんボン・ジョヴィ好きなの?
いやいやいや、駄目だ。「は?」ってなるだろ。「好きなの?」ってあたかもチカちゃんがボン・ジョヴィと触れ合っていた様子を俺が覗き見していたみたいじゃないか、気持ち悪い。というか覗き見していたね、気持ち悪いよね、俺。これじゃあストーカーみたいじゃないか。
――チカちゃん音楽好き?
……ちょっと柔らかくなったけどこれでも駄目だ「は?」ってなるだろ。例えばほら、CDショップでばったり会っちゃった時とかにこういうこと聞くんだったら自然だよね。だってCDショップには大抵音楽が好きな人が来るから。だけど違えんだよ。学校は別に音楽好きが来る場所じゃねえんだよ。なんだよいきなり「音楽好き?」とかさ。ストーカーみたいじゃないか。
――(無言)
無言とかストーカーみたいじゃないか……。
駄目だ、ストーカーだ。俺はストーカーだったのか。お父さんお母さんごめんなさい、僕はストーカーだったみたいです。
変に会話しようとするのはよそう……。きっと何もしない方が互いにとって良いことなんだ……。
――
蔦屋書店
――
チカ「……(なんか読んでる)……」(デフォ)
――って、またチカちゃんがいる!!!!!!?
なんで。どうして。せっかくこの辺りまで来たから本屋にでも寄っていこうと思ったらまたチカちゃんに遭遇した。運命なのかこれ。これ運命だろ。
白石「……(なんか読んでる)……」(真顔)
――白石までいたぞ!!!!!!
――しかもチカちゃんの隣にいる!!!!!!
こっちは運命だ。確実に運命だ。
二人はたぶん工学系の書籍コーナーで本を立ち読みしている。何を読んでいるんだろう……。ジョブズ的な何かだろうか……。
とりあえず俺は覗き見を続けた。
チカ「……(白石に気付く)……」(あっ)
あ、チカちゃん白石に気付いたっぽいぞ。
白石「……(なんか読んでる)……」(真顔)
チカ「……(またなんか読んでる)……」(デフォ)
そうだよね……チカちゃんが挨拶なんてするわけないよね……。
俺はどうしよう……挨拶しに行くべきんだろうか……?
――
――
シキネ「やあ、白石、グーテンターク」
白石「おう、運命かよ」(真顔)
シキネ「って、あれあれ」
チカ「……」(あっ)
シキネ「あれあれあれあれ、チカちゃんだ! 奇遇だね!」
チカ「グ……グーテンターク……」(俯き+赤面)
――
――
よし、大丈夫だ。シミュレーションしてみたけど問題ない! おそらく誰もが「挨拶されたい」と思っているんだから、こっちからしてやればいいんだ。きっとそうだ。
……だけど、手前側にチカちゃんがいるから回り込んで向こうの棚から白石に会いに行こう。ちょっと恥ずかしいから。
というわけで俺は回り込んだ。
シキネ「やあ、白石、アンニョンハシニムカ」
白石「おう、運命かよ」(真顔)
シキネ「って、あれあれ……」
白石「どうした?」(真顔)
シキネ「いや……」
――チカちゃんはいなくなっていた。
俺が回り込んだタイミングで帰っちゃったんだろうか……残念。
白石「どうしたんだよ……めそめそしやがって」(真顔)
シキネ「ごめん……なんでもない」
白石「俺まで気持ちが下がっちゃうだろ……」(真顔)
白石「今……こんなに嬉しいのに……」(真顔)
シキネ「白石……」
白石「……」(真顔)
シキネ「俺さっきUSBメモリ買ったんだ」
白石「おう、任せろ」(真顔)
――5月6日(水)
――
教室
――
よっこらせ。
連休明けの少し重たい身体を自分の席につけた。
シオ「おはよう、シキネくん」(笑顔[閉眼])
シキネ「おはよう」
――コツン
いて。
何かが頭に飛んできた。
白石「プレゼントさ、八年ぶりの」(真顔)
シキネ「白石……」
白石はドア付近でなんかカッコいい立ち方をしながら続けた。
白石「パスコードは俺たちの最初の思い出だ」(真顔)
シキネ「お前……」
ありがとう白石。
俺は幸せになるよ。
だけど白石。
俺たちが知り合ったのは中学のときだったよね、白石。
シオ「なあに、それ?」(笑顔[開眼])
シキネ「幸せの種……とでも言えばいいのかな」
シオ「ふーん。あ、そうだシキネくん」(笑顔[閉眼])
シキネ「うん」
シオ「ああいうときは普通に『やあ』とか言えばいいんだよ。覗き見はちょっと趣味が悪いよー」(苦笑)
シキネ「ああ……やっぱりそうかー」
シオ「そうだよー」(苦笑)
……あれ、なんで知っているんですか?
彩里さんの読心術に関する考察はまた別の話。
――4月25日(土)
――
春陽館
――
――前回のおさらい――
エーコ「志望校決めた?」(にか)
シキネ「四年制の大学にする」
エーコ「東ピョー大学にしなよ」(デフォ)
シキネ「無理だろ」
エーコ「無理だね」(きゃは)
――
シキネ「って、無理なんかーいっ!」
エーコ「ひゃっ」(うー)
俺は手刀をビシっとやってツッコミ体勢をしたところでスレスレで止めた。なぜなら……その……お、おおお、女の子に……触れ……ふれふれ、フリフレ……触れるなんてこととっ……なんて俺には……俺には……出来……デキストリン……。
エーコ「突っ込んでよ」(上目)
何だか拍子抜けした様子でそんなことを言ってきた。
シキネ「……いいの?」
エーコ「いいよ」(上目)
なんと許可をもらえたので俺はその手刀で少し頭を下げた園崎さんの頭頂部、つむじのあたりに軽くチョップした。
シキネ「なんやねん」
エーコ「エンッ!」(てへぺろ)
この人は非常に楽しそうだった。
俺の方はというと、チョップしたときの小指側のところに園崎さんの頭髪の感触と頭皮の感触と頭蓋骨の感触がリズミカルに、とてもファンタスティックに波状に押し寄せて俺はまるで過去と現在と未来を同時に味わっているような、アカシックレコードに触れたあのときの感覚を思い出していた。
いいなあ、園崎さんの髪の毛サラサラじゃん。なにこれ、ラックス? ラックスなの? とにかく良い髪の毛だ。がしっと握りたい。握ってわしわししたい。もう食べたい。髪の毛食べたい。
エーコ「……どうしたの悦に浸っちゃって」(にか)
シキネ「髪の毛のおひたし……か……」
エーコ「……ん?」(きょとん)
シキネ「ごちそうさまでした」
エーコ「……?」(焦り)
シキネ「と、とにかくそんなことは置いておいて、志望校どうしよう」
エーコ「東ピョーでいいじゃん」(デフォ)
シキネ「真面目に話しているんだよ」
エーコ「真面目に話しているんだよ」(デフォ)
シキネ「え?」
エーコ「え?」(きょとん)
――落ち着こう。
シキネ「東ピョーは無理だって言ったじゃん、園崎さんも」
エーコ「合格するのはたぶん無理だけど、目指すだけならタダだよ」(にか)
シキネ「え、タダなの?」
エーコ「タダだよ」(にか)
シキネ「ただ……たたた、たしかにっ!!」
エーコ「シキネくん物理とってるでしょ?」(デフォ)
シキネ「とってるよ」
エーコ「物理って斜め上に小石投げたりするじゃん?」(デフォ)
エーコ「あれって、投げるときはたぶん結構上の方を目指しているんだろうけど、綺麗なアーチを描いて落っこちるでしょ」(デフォ)
エーコ「たぶん受験も同じ感じだよ」(きゃは)
シキネ「おー、なるほど!」
……だけど園崎さん、斜方投射だと最後は地面に落っこちちゃいますよ。
エーコ「どうせ一人じゃ何も出来ないんだからスウちゃん達と同じ大学を目指しておけばあの子達もそれなりに面倒をみてくれると思うよ!」(きゃは)
シキネ「身も蓋もない!」
エーコ「よし」(笑顔)
園崎さんなぜかその場でクルリンと一回転した。あの麗しきセミロングの髪の毛がふわりと舞う。くんかくんか。
――ビシッ
次の瞬間、園崎さんはエヴァ零号機が盾を構えているような格好で古文の参考書をこちらに突きつけた。
エーコ「というわけで、私はこれ買ってそろそろ帰るから」(ドヤ)
シキネ「そんなに格好よくポーズとられても俺には加粒子砲は出せないよ……」
エーコ「えへへ、じゃあね」(にか)
シキネ「今日はありがとうございました」
そんなことを何気なく言うと、園崎さんはなんだかこちらに歩み寄って来た。
え、え、何!?
園崎さんは上半身を突き出し、こちらを見上げるようにして、指をさして言った。
エーコ「敬語禁止!」(にか)
シキネ「え……はい、申し訳ございませんでした……」
――るんるん
園崎さんはるんるんとお会計をして、るんるんと去って行った。
シキネ「るんるんとしていたな……」
白石「ああ……」(真顔)
しゅんじ「ああ……」(真顔)
シキネ「チャーミングだったな……」
白石「間違いない……」(真顔)
しゅんじ「たまらない……」(真顔)
シキネ「そして細かい……」
白石「敬語禁止……」(真顔)
しゅんじ「敬語禁止……」(真顔)
――あー、エーコさんマジ女神。
――4月27日(月)
[昼休み]
――
会議スペース
――
エーコ「とういうわけで、皆さん! 我らがシキネくんが志望校を決めたようです!」(きゃは)
シキネ「えー、いきなりだな! いきなりだよ!?」
シオ「へー」(笑顔[閉眼])
スウ「どこどこ?」(デフォ)
チリコ「気になりますー」(わくわく)
チカ「……」(デフォ)
エーコさんがこちらに目配せしてきた。
エーコ「……(ほら、言いなよ)……」(じと)
シキネ「ええ……まじで……」
シキネ「ええと……俺は……」
シオ「……」(笑顔[開眼])
スウ「……」(デフォ)
コッコ「……」(にやにや)
チリコ「……」(わくわく)
チカ「……」(デフォ)
……何だかすごく言いづらいがここまできて言わないのもおかしいよな。
シキネ「俺は……」
シキネ「俺は東ピョートル大学を目指します!!」
シオ「あっ……」(察し)
スウ「あっ……」(察し)
コッコ「あっ……」(察し)
チリコ「あっ……」(察し)
チカ「……」(デフォ)
――なんとなく予想はできていたけれど……辛かった。
シキネ「あはは……」
耐えきれなくなってため息まじり園崎さんの方へ視線をやった。
エーコ「……」(苦虫を噛み潰したような顔)
シキネ「なんで気まずそうなんだよっ」
――コツン
エーコ「けへんっ」(てぺぺろ)
今度はかなり自然にツッコミを入れることができた。チョップしてやった。再び髪の毛と頭皮と頭蓋骨の……まあそれはいいや。
コッコ「やっぱりアナタの入れ知恵なのね……」(苦笑)
スウ「まあ、そんなところだろうと思っていたけどね」(苦笑)
チリコ「え、ええと……先輩ならきっと行けると思います!!」(あわわ)
シオ「どう思う?」(きょとん)
チカ「……興味ない」(デフォ)
みんなそれぞれ非常に勝手なことを言いなさる。
エーコ「でもさあ、ほら、きっと東ピョーくらい目指しておかないとシキネくんは箸にも棒にも掛からないというか、つまり落ちるって!」(不満)
でもこいつが一番勝手なことを言っている……。この人は何だろう……やっぱりアホだよこの人は!!
コッコ「でも一理あるわね」(伏目)
スウ「それに私たちも東ピョーを目指しているから対策とかはしやすいのかもね」(苦笑)
エーコ「ほら!」(ドヤ)
シキネ「ほら、じゃねえだろ!」
エーコ「大丈夫だって! なんとかなるって!」(にか)
――バシン
――バシン
と背中を叩かれた。激励のつもりだろうが俺は餅を喉に詰まらせたような気分にしかなれなかった。
なんだなんだ……なんだか東ピョートル大学なんていう最難関大学を目指すことになってしまったぞ……。まあ、もともと目指す大学なんて無かったのだけれど。
――あれ……。
――じゃあ別に東ピョーでもよくね?
そうだよ!
そうじゃん!
目指すだけならタダじゃん!!!
あれ……。
なんだこれ……やる気が出てきた……!
コッコ「おや、シキネの目がなんか急に輝き出したみたいだけど」(デフォ)
エーコ「あれ、ほんとだ」(きょとん)
シキネ「なんかさ……おれ、やる気が出て来たよ」
エーコ「おー、出て来ちゃった??」(きゃは)
シキネ「だって……目指すだけならタダだもんね!」
エーコ「目指すだけならタダ!」(きゃは)
シキネ「目指すだけならタダ!」
エーコ「タダ割!」(きゃは)
シキネ「タダ割!」
エーコ「割ってない!」(きゃは)
シキネ「割ってない!」
――HAHAHA
そうだよ。
目指すだけならタダだ。
まだ四月だ。45°よりも上に角度をつけて斜方投射してみよう。
――志望校きーめた!
こうして俺の志望校は決定した。
チカ「……」(デフォ)
シキネ「……」
あ、チカちゃんと目が合った……。
チカ「……」(デフォ[横目])
シキネ「……」
シキネ「……えへへ、大丈夫かな」
チカ「……」(デフォ[横目])
チカちゃんは目を逸らすと彩里さんに寄り添うようにしてそっぽを向いてしまった。
シオ「えっ、何? チカ」(苦笑)
チカ「……」(さえない)
シオ「こら……『無理』とか言わないの!」(苦笑)
シキネ「聞こえてますけど????」
俺が東ピョー大学を目指して必死に勉強するのはまた別の話。
いよいよ土日はセンター試験ですね。
そういうわけで彼女たちにインタビューしてみましょう。
スウ「ええと、数学です。いつものセンターだったらたぶんいくつか『むむむ』となる問が出題されると思います。でもどんな問題でもセンターで扱われているということは必ず持ち合わせの知識で解くことができるので焦ったときほど落ち着いて取り組んでいきましょう。もしくは、少し悩んでも解法が思いつかなければその問題は飛ばしてしまいましょう。解ける問題を解いておくというのもセンター数学で高得点をとるコツです」(デフォ)
エーコ「英語でーす! 九割くらいとろう! Patが出て来ても大丈夫! 発音・アクセントは諦めろ! 本番だからってじっくり確認しながら解いてると時間なくなっちゃうからね。いつも通りに」(きゃは)
コッコ「国語ね。国語もやっぱり現代文よね。たまに驚いちゃうような文章がでたりするから気をつけてね。やつらは精神攻撃がとても上手いから……。古典の方は自信が無かったら最後まで古文単語や漢文の句形とかを確認しておけば偶然さっき読んでいたのが問題にってこともあるかもしれないわね。まあ、とにかく現代文の精神攻撃にやられないようにね」(デフォ)
シオ「物理です。なんだかみんな色々話しているので私は簡潔に……。ma=F この式が何を表しているのかわからなければ、うん、もう一年勉強しようね。わかる人、ちょっとだけわかる人はこんな風に注釈をつけてみよう。ma(まず頭に浮かべる)=F(普段から)……みたいな感じでね! ……あれ、滑ってないよね?」(笑顔[開眼])
チリコ「えっと、あのあの、地理は……。地理です。地理は暗記科目っぽいですけど、考えれば解ける問題も実はいっぱいあって、そういうところを外さないようにして下さいっ! みんな解いちゃうと思うので……。あとはその……がんばってください!!」(あわわ)
チカ「こんなの見てないで勉強しないと落ちますよ」(デフォ)
だってさ!!!
受験生のみんなは今すぐ勉強しましょう!!!Chloroは全国の受験生を応援します。
――4月25日(土)
――
教室
――
シキネ「あー終わったー」
白石「オッスオッス」(真顔)
シキネ「帰るかー」
しゅんじ「オッスオッス」(真顔)
受験生は補習やらなんやらで土曜日にも学校があるのです。
――
商店街
――
シキネ「お前ら志望校決めた?」
白石「国立か私立にする」(真顔)
しゅんじ「私立か国立だな」(真顔)
シキネ「……じゃあ俺は公立にしようかな」
まるで受験の実感が持てていない高三の春。
――こんなことでいいのだろうか。
――まあ、よくないか。
白石「ちょっとコンビニ寄るわ。サンドイッチ買うわ、ハムのやつ」(真顔)
シキネ「そうか」
しゅんじ「じゃあ俺も行く、タマゴのやつ買うわ」(真顔)
シキネ「俺はここで待っているよ」
白石としゅんじは仲睦まじく入店していった。
白石「なんで……タマゴなんだよ」(真顔)
しゅんじ「いいだろ……別に……」(真顔)
白石「教えろよ……」(真顔)
しゅんじ「すっ……好きなんだよ……」(真顔)
なんだあいつら。
――キイィ
チカ「……」(デフォ)
あ……チカちゃんだ。
可愛いツインテール。結構高めの身長。なんか眠たそうな目。
間違いない。チカちゃんだ。
シキネ「……」
チカ「……」(デフォ)
でも声をかけることはできなかった。
だって向こうは俺だと気づいているのか怪しいし……。それにたぶん嫌われているし。
チカ「……」(デフォ)
――スタスタ
……去って行った。でもすごいよな、あの子。あれで天才なんだから。なんで同じ学校に通っているんだろう。あ、コミュ障だから彩里さんがいないとダメなのか。いやでも彩里さんにしたって天才の部類だと思うんだけどなあ。彩里さんがテスト苦手タイプなのかな?
白石「オッス」(真顔)
シキネ「おう」
しゅんじ「……」(真顔)
シキネ「どうしたの、変な顔。いつもと同じだけど」
しゅんじ「俺も……ハムのやつにしちゃった……」(真顔)
シキネ「はあ……」
しゅんじ「白石がさ……へへ」(真顔)
白石「なんだよ気持ちわりいな……美味いぞ、ハムのやつ」(真顔)
しゅんじ「へへ……」(真顔)
――まあいいか。
シキネ「これからどうする?」
白石「13時の電車で帰るか、ちょっと寄り道するかって感じだろ」(真顔)
しゅんじ「ジム行こうぜ」(真顔)
シキネ「本屋行かない? なんか単語帳探そうかと思っててさ」
白石「いいね、行くか、春陽館」(真顔)
しゅんじ「ジムはダメか……」(真顔)
――
春陽館
――
エーコ「おっ」(驚き)
シキネ「あっ」
エーコ「シキネくんだー!!」(きゃは)
参考書コーナーで容姿端麗な女子高生がモデルの大きなポスターが貼ってあると思ったら園崎さんだった。
シキネ「園崎さんも寄り道?」
エーコ「そうそう、ちょっと赤本見ていこうかなって」(デフォ)
シキネ「園崎さんは志望校決まっているの?」
エーコ「んまあ……なんとなくここにしようかなっていうのはね」(苦笑)
シキネ「そっか」
エーコ「ほら、入試の形式もいろいろあるし、推薦とかAOとか、まだいろいろ悩めるし、私は大学に行って何をしたいとかが明確じゃないから『ここだ!』って感じはしないんだけどね」(苦笑)
シキネ「なるほどね……」
俺にもなんとなく行きたい大学はある。ヨココクとか、いい感じだよね。B’zの稲葉さんとかOBにいるしね。でもその程度だ、なんとなく行きたいだけ。横浜はなんかオシャレな街っぽいし、TVKが映るからsakusakuをリアルタイムで鑑賞できそうだけど……俺にはオシャレはわからないしsakusakuをリアルタイムで見る必要もあんまり無い気がする。
――つまり志望校なんて全然決まっていない。
だけど俺がこのように残念受験生であることはいったん置いておいても、さっきから少しだけ気になることがあった。
シキネ「ねえねえ、園崎さん」
エーコ「んー?」(なあに)
シキネ「真面目じゃね?」
エーコ「えっ」(きょとん)
園崎エーコさん。オーストラリア留学から帰って来た帰国子女風女子。スタイル抜群、顔が小さいウルトラファッキン美人。しかもダブっている一個上のお姉さん。ほとんど非の打ち所がない人だ。
でも彼女に難点があるとしたらちょっと騒がし過ぎるのと、あの……なんというか……アホなんじゃないの……というところだ。
[回想風]
エーコ「いけー、ロイヤルストーレートフラッシュもどきー!」(笑顔)
――
春陽館
――
そんな園崎さんが今日は何時になく大人しかった。
エーコ「私普段そんなに騒がしい?」(苦笑)
シキネ「心が読まれているっ??」
エーコ「そんな顔してる」(苦笑)
シキネ「騒がしいよね?」
白石「うん」(真顔)
しゅんじ「うん」(真顔)
エーコ「わー」(げー)
シキネ「うん」
エーコ「うーん……ほら、みんなといると楽しくなっちゃうというかね、えへへ。普段から元気いっぱいだったら疲れちゃうでしょ?」(苦笑)
シキネ「疲れちゃうのか」
エーコ「疲れちゃうよ」(デフォ)
シキネ「なるほど……夜通しは無理と……」
エーコ「へ……?」(きょとん)
シキネ「なんでもない! 続きはWebで!」
エーコ「ところで、シキネくんはどうなのよ」(デフォ)
シキネ「夜の話?」
エーコ「志望校の話!」(にか)
シキネ「……四年制の大学にしようかと」
エーコ「……後ろのイケメンたちは?」(きょとん)
白石「理系の学科がある大学にする」(真顔)
しゅんじ「学食がある大学だな」(真顔)
エーコ「じゃあみんな全然決まってないの?」(きょとん)
シキネ「なんという洞察力! 恥ずかしながらそうだよ!」
エーコ「ふーん」(ふーん)
しまった……園崎さんはボケキャラだからツッコミを期待して何も出て来なかった。出てくるとしたら「ふーん」だけだ。あ、でも「ふーん」もいいな。その薄めの唇から放出される「ふーん」を少し吸い込みたいぜ。
エーコ「シキネくん」
シキネ「はい生きててすいません」
エーコ「シキネくんも東ピョー大学目指しなよ」(きゃは)
シキネ「え、俺が東ピョー???」
――
――
東ピョートル大学、通称「東ピョー大学」つい四年くらい前に「目指せ日本のMIT! 目指せ日本のプリンストン高等研究所!」をスローガンに筑波大学のキャンパスを縮小し、いい感じの場所に国が新設した理学研究に特化した大学である。
要約すると「東大からいちいち筑波まで実験しに行くのダルいわぁ、TX妙に高いし」ということで筑波の広大な土地に建てられた大学らしい。
開設してからの評判は非常に良いようで、MITも夢じゃないとかなんとか。
そしてスウと彩里さんの志望校が確かここだった。
――つまりかなりレベルが高い。
――
――
シキネ「無理だろ」
エーコ「無理だね」(きゃは)
無理かパプリカどうかはまた別の話。

ついにブログに累計2000人くらいがやって来たようですね。
でもたぶんダブっている人もいるので実際はもっと少ないんですかね。
でも2000ですよ2000。
1000×2です。
素因数分解をすると2000=2^4×5^3ですよ。
すごくありませんか?
とくにすごくありませんね。
というわけで、KOEDAMEにお越しいただいたみなさまありがとうございます。
そして告知です。
コミティア103のスペースが決まりました。
「は08b」
だそうです。またはじっこみたいです!
そしてもうひとつ、委託販売のお知らせです。
メロンブックス様にて「私は女優になりたいの」の委託販売してもらう予定です。
発売予定日はまだ決まっていませんがとりあえずするよていです。
コミケで買い逃した方、欲しいけどビッグサイトが遠い方、是非是非ご利用くださいませ。
それでは^^
――4月21日(火)
――
図書室
――
――前回のおさらい――
シキネ「マーク模試1200点でした」
スウ「シキネは馬鹿じゃないよ」(笑顔)
コッコ「アナタは馬鹿よ」(伏目)
スウ「こっちみんな」(呆れ)
――
コッコ「シキネが馬鹿な理由を説明していくわね……」(伏目)
シキネ「はい……」
コッコ「……の、前に、今回の模試だけど時間は足りた?」(デフォ)
シキネ「全く足りませんでした」
コッコ「でしょうね」(伏目)
シキネ「でも本番はもっと時間長いんでしょ?」
スウ「え?」(きょとん)
シキネ「え?」
コッコ「本番も一緒」(伏目)
コッコ「とにかく注目すべきは”時間が全然足りなかった”ということ」(真面目)
シキネ「はい」
コッコ「国語の点数を見ればなんとなくわかるわ。どうせ現代文に時間を使い過ぎて古典にまわす時間が無くなったんでしょう?」(伏目)
シキネ「その通りです」
コッコ「……というか国語の点数ひっくいわね」(呆れ)
シキネ「55点でしたね……」
コッコ「100点満点に換算するまでもなく全科目の中で最低点っていうのはもう……なんか終わっているわね……」(呆れ)
シキネ「えー、でも俺理系じゃん」
コッコ「……」(伏目)
シキネ「……あれ?」
コッコさんが急に黙ってしまったからどうしたのだろうと思って振り返ってみると何故か俺のすぐ背後にまで近寄ってきていた。
シキネ「え、近い」
そしてその細くてしなやかな指を俺の首筋、太ももからお腹から触れるか触れないかという感じで這わせた。
シキネ「ちょっ……ここ図書室……みんな見てる!」
コッコ「……」(にやり)
シキネ「だっ……ダメだよっ、そんな……俺は……」
シキネ「俺はガーディアンだからっ!!!」
コッコ「……んふ」(にやり)
コッコさんは湿った吐息を漏らすとより一層、俺の顔のすぐ真横にまで顔を近づけてきた。
シキネ「ひいい、他人が怖い! 他者の瞳の中に映る自分が怖い!!」
コッコ「ねえ……シキネ、いいことを教えてあげるわ」(にやり)
シキネ「だ、だけど実際にはあると思います、知らなない方が幸せなこと」
コッコ「国語ができない人間っていうのはね……」(にやり)
コッコ「”馬鹿”なのよ」(なまめかしい)
シキネ「Oh...I’m in heaven again///」
俺は果てた、精神的に。
コッコ「ちょっとよくわからないわね」(にやり)
スウ「……」(ぽかん)
シオ「……」(ぽかん)
コッコ「ね?」(苦笑)
スウ「コッコさん危ないよ!? そんなに近づいたら」(びっくり)
シオ「そうだよ! うつっちゃうよ、馬鹿とか、菌とかが」(苦笑)
この人今さらっと馬鹿って言ったね。
コッコ「まあでも単に馬鹿って切り捨てるのも少々学がない感じがするからもうちょっと詳しく説明するわね、おばかさん」(笑顔)
シキネ「……はい」
コッコ「例えばアナタがもう、本当にこの上なく頭の良い人だったとするわね」(デフォ)
コッコ「でも、アナタは国語が全く出来ないの、『ぼくは昨日電車』とかしか書けないようなレベルでね」(デフォ)
コッコ「そんなアナタはあの空の青色をどうやって説明するの?」(デフォ)
シキネ「愛……とかで……」
コッコ「……やってみてくれる?」(にやり)
シキネ「え……やっていいの? 本当に……いいの?」
コッコ「……やっぱり遠慮しておくわ」(焦り)
スウ「話の腰折るなよ」(じと)
シキネ「ごめんちゃい」
コッコ「とにかくね、分かるでしょう。国語が出来ないということはアナタの言いたいことを説明することは出来ないし言葉で説明してあることを読み取ることもできないわけ」(伏目)
コッコ「アナタがどんなに頭が良くても国語ができなければ周りの人はアナタの頭の良さを知ることができないわけ。知ることができないのだから大学の先生もアナタは頭が良いんだな、と思ったりしないわけ」(伏目)
コッコ「こういうのを読み書きする能力、基礎学力が低いって言うのよ」(にやり)
コッコ「つまり、馬鹿」(にやり)
シキネ「ごめんなさい、馬鹿でした」
コッコ「さっき四月のマーク模試だから点数がどうこうって言ったけれど、そんなことは本当はどうでもいいのよ。受験なんて何が起こるかわからないのだから」(デフォ)
コッコ「何よりも問題なのは国語の点数がここまで低いこと。アナタは馬鹿よ、すごく馬鹿、本当に馬鹿」(デフォ)
シキネ「ごめんなさい、本当に馬鹿でした」
――パチパチ
俺が心底反省していると小さな拍手が二つ聞こえてきた、図書館なのに。
スウ「感動した。やっぱりシキネは馬鹿だよ」(デフォ)
シオ「うん。うすうすそんな気はしていたんだけど、今確信に変わった」(苦笑)
シキネ「みんな……」
シキネ「僕は馬鹿だ……」
シキネ「馬鹿でいたい……」
シキネ「僕は馬鹿でいたい」
シキネ「僕は馬鹿だ!!」
シキネ「僕は馬鹿でもいいんだ!!!」
――ブオオッ
――パチパチ
コッコ「おめでとう」(デフォ)
スウ「おめでとう」(デフォ)
シオ「おめでとう」(デフォ)
井部「おめでとう」(デフォ)
シキネ「ありがとう」
――スウにありがとう。
――模試にさようなら。
――そして全てのチルドレン(子供達)に
シキネ「……馬鹿でもいいってことはないか」
シオ「うん、それは私もそう思った」(悲壮)
コッコ「というかなんで井部くんがいるのよ?」(きょとん)
井部「いや、すいません、僕もエヴァ好きなので。もう帰りますね」(苦笑)
コッコ「はーい」(笑顔)
つまり俺はあれか、スウになんか持ち上げられていたけどやっぱり馬鹿だったのか。
コッコ「アナタは馬鹿なアナタのままでいいの?」(にやり)
シキネ「嫌です……」
コッコ「というわけでとりあえず言葉を読む力を身につけなさい」(デフォ)
シキネ「どうすれば……?」
コッコ「速読ね」(伏目)
シキネ「速読?」
コッコ「とにかく速く読めるようになりなさいな。まずはそれからだと思うの」(デフォ)
スウ「速読?」(きょとん)
シオ「速読かあ」(デフォ)
シキネ「二人も速読やってんの?」
スウ「全然」(きょとん)
シオ「全く」(苦笑)
シキネ「え、どういうことなの?」
コッコ「二人は頭が良いでしょう?」(にやり)
シキネ「え……ああ、そういうことなの」
ここでは「頭が良い」というのは「読み書きの能力が高い」ってことか。じゃあ二人は……。
コッコ「二人は特に意識するまでもなく素早く読み書きできる力を持っているのよ。だから授業を聞いただけで頭に入るし解答時間にも困らない。そうでしょう?」(デフォ)
シオ「まあ……」(苦笑)
スウ「自分ではよくわからないけどね」(苦笑)
コッコ「そしてアナタにはそういう能力が無いわけ。だから身につけなさい。今後の勉強の効率も断然上がるでしょう」(デフォ)
シキネ「速読か……でも具体的にどうやるの?」
コッコ「速く読もうと意識すること、視野を広げること、一度に認識できる文字の数を増やすこと」(デフォ)
――こういうことらしい――
① まず当たり前のようだけど、速く読もうと意識することね。だって今まで意識したことなんてなかったでしょう? だからこんなことになっているのでしょう? 一番簡単にできることでもあるわね。速く読もう、とそう思えばいいわ。時間を計るのがいいのかしらね。まあ面倒くさいわね。
② 視野を広げること、つまり視界にできるだけ多くの文章を入れるようにすることね。どうせアナタは紙に鼻を擦り付けながら一文字ずつ読んでいるのでしょう? そこまで極端ではないにしろ、理想は首を全く動かさずに目だけで試験問題の文章の端から端まで読めるようになることよ。
③ 一文字ずつ読んで後でそれを繋げる……みたいな読み方をしていない? 文字のブロックごとに頭の中に入れられるようにするといいと思うわ。一度に一文字認識するのと二文字とでは読む速度が全然違うでしょう? 理想は一文くらいなら一瞬で読めるようになれたらって感じだけどすぐには難しいかもしれないわね。
――
シキネ「へえ、詳しいね。というか受験とかのことにも妙に詳しいよね」
コッコ「キャリアが違うのよ」(にやり)
……だから同い年でしょう。
コッコ「具体的にいきましょう」(デフォ)
――
そのころ僕はもう大人になっていて、世間ではまだ社会に出て十年も経っていない輩のことを若者と言うのかもしれないけど、僕は僕自身のことを歳相応にわきまえていたし、そろそろ自分が歩いている人生のランクのようなものもわかってきていた。
――
コッコ「この文章をとりあえずこんな感じで読んでみるのよ」(デフォ)
[そのころ僕は][もう大人に][なっていて、][世間ではまだ][社会に出て][十年も経っていな][い輩のことを][若者と言う][のかもしれない][けど、僕は][僕自身のこと][を歳相応にわき][まえていたし、][そろそろ自分が][歩いている][人生のランク][のようなもの][もわかって][きていた。]
シキネ「え、ああ、え、全然よくわからない!」
コッコ「まあ、いきなり言われてもわからないでしょうけど、速読が身に付いてくると[]のブロックくらいの言葉だったら一瞬で読み取れるようになるのよ」(笑顔)
シキネ「そうなのか……うん」
コッコ「とりあえず読んでみなさいよ」(笑顔)
……ええと、ああ……なんとなく……わかるような……気がしなくもない……かもしれない。
――そんな感じ!!!
コッコ「まあ、結局速読のやり方なんて自分で掴んでいかないといけないのだけれどね。今日教えたのは”コツ”のようなものよ。どんどん[]の幅が広くなっていけば素晴らしいわね」(にやり)
シキネ「まあどっちにしろこんなしょうもないストーリーじゃ伝えきれないもんね!」
コッコ「……」(伏目)
シキネ「……あれ?」
コッコさんが急に黙ってしまったからどうしたのだろうと思って顔を上げてみると彼女は何故か俺の真正面に立っていた。
シキネ「え、近い」
そしてその細くてしなやかな指を俺の胸ぐらから喉仏から顎の先まで触れるか触れないかという感じで這わせた。
コッコ「ちゃんとお勉強しなさいよ、おばかさん」(なまめかしい)
シキネ「はい! もっと勉強して上手になります!!」
コッコ「上手に?」(きょとん)
シキネ「いえなんでもありません! すいません!」
こうして俺は国語力をつけるために速読を意識することにした。
――ちなみに
シオ「チカも解いたんでしょ何点だった?」(笑顔[閉眼])
チカ「こんな感じ」(デフォ)
[四月 マーク模試 チカ]
国語 200点
現代文 100点
古文・漢文 100点
数学ⅠA 100点
数学ⅡB 100点
化学 100点
物理 100点
地理 100点
英語 200点
合計 900点
シオ「……本当によく毎回満点とれるね」(苦笑)
チカ「慣れだよ」(デフォ[柔])
シオ「今年受験できちゃうかもよ、私がちゃんと掛け合ってみようか?」(笑顔[開眼])
チカ「いや……まだいい」(デフォ[柔])
チカちゃんが受験するのは来年の話。
「私は女優になりたいの1.11 修正パッチ」ができました。
以下のリンクよりダウンロードしてみて下さい。
修正パッチのDLはこちらからパスワードは「cl」です。
■修正パッチについて
ギャラリーモードにおいて一部のCGが観賞できないという不具合が残っていたので修正しました。
また、新たに十数枚ほどのCGを観賞できるようにしました。
■修正内容
すべてのCGを観賞できるようにした。
観賞可能なCGの追加。
■修正パッチのあてかた
「私は女優になりたいの1.11 修正パッチ」フォルダ内の「patch.xp3」を
C:¥Program Files¥私は女優になりたいの と辿り「私は女優になりたいの」
フォルダ内にコピーして張り付けてください。これで完了です。
■謝辞
不具合を報告してくださったhotpants様には心から感謝します。
プレイしていただいた皆様に不便をかけましたことをここにお詫びします。
ちなみに、もしかするとクリアしていただいたあとでもパッチをあてるだけでは全てのCGを見ることができないかもしれません。そのときは最終話をもう一度プレイしていただければフラグが立ちますのでそのように対処してみてください。お手数をかけてすいません。
もう年始ですけどね。2012年 年末小説 「あなたのしらない宇宙のはなし」修正パッチは準備中ですのでもう少しお待ち下さい。(だいたい出来ている)
コミケ83において「私は女優になりたいの」を手に取っていただいた方々、ありがとうございます。
この度、ゲームをクリアしていただいたユーザー様からの報告を受けて
CGギャラリーモードで一部のCGが鑑賞できないバグの発生を確認しました。
既にプレイしていただいたユーザーの皆様にご不便をかけてしまったことをここにお詫び申し上げます。
近日中に修正パッチを用意する予定ですのでよろしくお願いします。
色音
続けて告知です。
COMITIA103に出展します!
そしてコミティアでは限定版パッケージをとりあえず10部だけ作って販売することにしました。

赤です。アカネちゃんだから赤です。エヴァの旧劇場版っぽい感じがしますね……。
そういうわけで、赤いものを見ると興奮してしまう方はCOMITIA103までお越し下さい。
今更感が凄まじいですがクロロへの連絡先を載せておきます。
メールアドレス
chloro2236★gmail.com (★を@に)
Twitter
mokineshikine (人間味溢れる方)
chloro2236 (およそ事務的な方)
今後ともChloroをよろしくお願いします。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。冬コミに来ていただいた皆さん本当にありがとうございました!!
初のコミケ参加でしたが、トラブルも無く、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
これからもクロロをよろしくお願いします^^
ところで「私は女優になりたいの」をプレイして既にクリアしていただいた方はいらっしゃるでしょうか?
実は、新プロジェクトが既にスタートしております。
速報
そういうわけで今後ともよろしくお願いします。
最後に今年の年賀状を載せておきます。(※今日はあかほん!の更新はお休みさせていただきます)